財産の不正操作 完全ガイド遺産分割の弁護士

はじめに財産の不正操作 完全ガイド

長男名義の不動産なのに、いつの間にか次男のものになっていた。
遺産相続発生後に確認したところ、亡き父の預金口座の中身が勝手に引き出されていた。
母の遺言が知らない間に書き換えられていた。
預金名義人と、口座のお金の持ち主がいつの間にか異なる状態に。
介護に絡み、多額の使途不明金が見つかった。

家族内で「財産の不正操作」が横行していると聞くと、例外的なケースであると思う方も多いでしょう。しかし数多くの遺産相続事件に関わっていると、激しくもめる遺産相続パターンには必ず、「財産の不正操作」の存在が確認できます。財産の不正操作が行われる期間は長期に亘り、被害額も一般的には高額になります。十数年で数千万円もの財産が不正操作されることも珍しくはありません。
遺産分割問題を多く取り扱う遺産相続弁護士が考える「財産の不正操作」とは、主に家族の間で、預金や現金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換えたり、不動産に勝手に担保を設定してお金を借りる手口で、遺産相続に関わるかどうかを問わず、家族の財産を不正操作することです。財産の不正操作が発覚するのは遺産相続のときが多いものの、決して遺産相続特有の問題ではありません。関係者は「家族」であり、遺産相続における相続人とは限りません。
遺産相続のときに発覚することが多いのは、遺産相続が発生するまで財産を整理することはないからです。遺産相続が発生するまでの間でも定期的に財産を整理する機会があれば、発覚しやすいのですが、なかなか自分の財産の現状に無頓着な方が多いせいか、遺産相続が発生するまでは発覚しにくいのです。
遺産相続弁護士の立場で多くの遺産分割問題に関するトラブルを見ていると、財産の不正操作は意外にも広く横行している犯罪的行為で、遺産相続に関する場面であっても、遺産相続とは関係のない場面であっても泣いている方がたくさんいることがわかります。にもかかわらず、財産の不正操作に関する情報は、遺産相続に関するものも、遺産相続以外の場面に関するものも多くはありません。
家族内でのもめごとというと、遺産相続場面における「争族」という言葉が市民権を得つつありますが、遺産相続場面における「争族」に関して十分な情報が伝わっているわけではなく、残念ながら中途半端な状態で、具体的に遺産相続においてどのような点が問題となるのか、遺産分割において何に注意すべきなのかについて十分に理解しておらず、いざ遺産相続が発生すると困り果てて遺産分割を専門に取り扱う遺産相続弁護士に相談する方が多いようです。その原因を遺産相続弁護士が分析してみます。
まず、遺産相続に関するモメごとの実態が明らかにされていないことが挙げられます。単に、「遺産相続でモメる」とか、「遺産相続における骨肉の争い」という言葉で片づけられ、遺産相続におけるモメごとの原因や分析は放っておかれています。財産の不正操作について遺産分割を専門とする遺産相続弁護士に説明することで、遺産相続におけるモメごとの全てを理解することができる訳ではありませんが、遺産相続における一つの大きなテーマを分析することはできます。
次に、遺産相続場面におけるモメごとは、財産の不正操作の一場面にすぎないということについて理解されていないことが挙げられます。遺産相続の場面以外でも、財産の不正操作が問題になることが看過されているのです。遺産相続以外に財産の不正操作が問題になる典型的な場面としては、離婚に関する問題があります。遺産相続が発生しているわけではなく、遺産分割に関する話し合いを行う必要があるわけではないが、銀行から融資を受けるために、不動産の登記簿謄本を確認するなどのきっかけで、夫婦間における財産の不正操作が問題になることもあります。単に遺産相続の問題であるとして捉えてしまうと、問題を矮小化してしまうのです。遺産分割を専門とする遺産相続弁護士が財産の不正操作の事例を見ていると、主に遺産相続の場面に問題となっていることが多いのは事実ですが、家族で財産を確認する機会があれば、遺産相続の場面以外であっても、いつでも顕在化する問題です。
遺産分割問題を多く扱う遺産相続弁護士としては、財産の不正操作に対して警鐘を鳴らすとともに、被害にあったときの対処方法なども具体的にあげ、財産の不正操作の問題への理解を深めてもらいたいと考えます。実際に被害にあった方にも、被害に遭わないために気をつけたいと考えている方にも役立つアドバイスを財産の不正操作の問題を多く扱う遺産分割専門の遺産相続弁護士が示します。
遺産分割専門の遺産相続弁護士が指摘する財産の不正操作の特徴は次のとおりです。

財産の不正操作は容易

家族分をまとめて管理することも多い預金通帳や銀行印、実印へは、同居する家族であれば容易にアクセスすることができます。家族であれば行動パターンや、どこにどの程度財産を持っているのかも見当が付きます。一番見つかりにくい時間帯や方法で、確実に不正操作を成し遂げることができる。実印や通帳を持ち出しているところを見つかってしまっても、財産の不正操作をしているとはまず疑われませんし、「整理整頓をしていただけ」「自分の通帳と間違えて持ってきてしまった」とごまかすことも簡単です。
金融機関の本人確認も容易に潜り抜けられます。本人をかたることも難しくはありません。銀行のキャッシュカードについては、不正操作をする者が暗証番号を知っている場合も驚くほど多いのです。暗証番号を自分で控えて、キャッシュカードと一緒に保管している方は、外出時に持ち歩かないので落とす事はなく安心しているのでしょう。しかし、不正操作をする者は労せずして暗証番号を手に入れることができます。
遺産相続発生前であっても、遺産相続発生後であっても、勝手に預金を引き下ろすことは朝飯前です。
家族への警戒感はないので、重要事項に関する情報も全くもってオープン。
居間にパソコンがあればログインパスワードを共有していますし、パスワードとして使用されることが多い誕生日などの個人情報も知られています。自宅のパソコンにはパスワードロックをかけない場合も多いでしょう。
委任状を偽造したり、何らかの口実で白紙委任状を取り付けたり。消えるボールペンで委任状を作成させたうえで、後で委任事項を書き換える新手の手口も確認されています。贈与契約書の偽造や遺言の作成により、財産の不正操作を隠蔽することもできます。

遺産相続時にバレる

遺産分割専門の遺産相続弁護士の立場から多くの遺産相続トラブル事例を見ていると、一般的には、遺産相続をきっかけに財産の不正操作が行われていたという事実が発覚することが少なくありません。
家督相続の時代は家を継ぐ意識が強く、遺産相続における個々の相続財産は家に付属するもので前面には出てきませんでした。現代では、財産は家ではなく個人の所有物であるという考えが確立しています。遺産相続における遺産分割というと相続財産を分けることそのものであり、家を継ぐ側面は祭祀承継という小さな問題に追いやられています。遺産相続において、相続財産と家を継ぐ祭祀承継の主従が、昔と今とでは逆転しているのです。
遺産相続が開始するまでは、親の財産はあくまでも親のものであって、子供にとって直接の関心事ではありません。ところが遺産相続が発生して遺産分割の場面では、親の財産は相続人にとって、自分が所有権を行使する対象になります。遺産相続発生後に急に関心を持ち始めるのです。だからこそ遺産相続における相続財産について細かくチェックをしてみたくもなります。
遺産相続が発生し遺産分割の話し合いのために相続財産を細かく注目する段階で矛盾点が多く見つかり、遺産相続発生前である十数年前の財産の不正操作の事実が発覚します。財産の不正操作を発見した相続人は、急いで遺産分割専門の遺産相続弁護士のところに駆け込むのです。
ところが、財産の不正操作は遺産相続発生前である被相続人の存命中に長期間に亘って不正操作が繰り返されることも多く、財産の不正操作に関する遺産相続問題について裁判になった時には証拠が散逸していることもあります。不正操作行為は遺産相続発生前である被相続人の存命中のことでも、発覚が遺産相続発生後であれば、被害者本人がいない状態での裁判になります。よって、通帳の保管状況や書面の署名状況などについて、事情を一番よく知っている人に証人尋問を行えないという問題もあるという点を、遺産分割専門の遺産相続弁護士から指摘しておきます。

バレにくい

なかなかバレないのも財産の不正操作の特徴です。遺産相続が始まり、遺産分割の話し合いを行うために被相続人の財産整理をするまではバレる可能性が低いのです。
不動産を売ったり、銀行からお金を借りたりという特別な機会でもなければ、いちいち会社や不動産の登記簿などを確認しません。実印を持ち出されるのではないか、現金を盗まれるのではないかという心配を家族間ですることはなく、遺産相続発生前においては財産管理には無防備です。特にお年寄りは、振り込め詐欺の被害にあいやすいことでもわかるように、家族に対する絶対的な信頼があります。猜疑心が強い方でも、家族に対しては全くもって無警戒です。家庭という特殊なコミュニティの中で財産の不正操作が横行すれば、羊の群に放たれた狼のように、不正操作をする者はやりたい放題になってしまいます。好き勝手にやった不正操作行為がバレて、遺産分割に詳しい遺産相続弁護士に駆け込まれる心配もありません。
侵入盗はいちいち盗品を元のところに戻しません。靴を脱がずに侵入し、タンスを下の段から順番に階段状に開けて物色し、一秒でも早く退散します。だから帰宅直後に泥棒に入られたことがすぐにわかります。
しかし財産の不正操作は違います。いつでも財布から中身だけを抜き、キャッシュカードを使用した後に元の場所に戻しておけるので、怪しまれることがありません。少しずつ不正操作を繰り返すため、短期スパンでは気づきません。
遺産相続でモメないための対策として有効であるとして、作成することが奨励される遺言ですが、遺産分割専門の遺産相続弁護士として遺産相続トラブルに発展するケースを見ていると、実態としては、遺言作成者以外の人間の意思が介在することも多いといえます。遺言作成の相談で遺産分割に詳しい遺産相続弁護士を訪れる相談者の多くは遺言作成者本人以外で、遺産分割に詳しい遺産相続弁護士の寄せられる相談のほとんどが「父親に遺言を書かせたいのだが」という内容です。財産の不正操作でも、このような遺言作成の実態が垣間見られます。財産の不正操作をした人間が暗躍し、不正操作を糊塗するためのアリバイとして、遺産相続の場面で遺言作成を利用することすらあるのです。

誰も警告していない大問題

昔から存在していたはずの財産の不正操作の問題ですが、これまで正面から論じられることはありませんでした。
「争族」は造語ですが、もはや市民権を得てきました。しかし「争族」の実態について理解し、具体的な対策を講じている方は少ないといえます。「遺産相続のモメごと」という漠然としたイメージはあっても、争族の実態は明らかにされていないというのが遺産分割専門の遺産相続弁護士の実感です。
「財産の不正操作」は遺産相続トラブルの一場面です。不動産の評価を巡る争いなども遺産相続トラブルの一場面なのですが、遺産分割専門の遺産相続弁護士の立場で多くの遺産相続事件を見てきて、もっとも激しく対立する遺産相続トラブルの場面には必ずといってよいほど、財産の不正操作が絡んでいるといえます。
犯罪収益移転防止法などの影響で、金融機関での本人確認が厳格化され、遺産分割専門の遺産相続弁護士が代理人として遺産相続業務を代行するにあたり支障が出る場面もあります。金融機関に対する手続きで、本人自らの手続きを要求されることが増えています。反面、インターネットバンキングなどの方法で、財産の不正操作はますます容易になっていくと思われます。

家族内で起きた「財産の不正操作」には、使い込みや持ち出しなどを含みます。特に管理を任されていた財産を使い込む場合などは、「窃盗」よりも「横領」と呼ぶ方が、実態に合うこともあります。しかし被害にあった方にとっては「窃盗」であれ「横領」であれ、「財産を不正に操作されてしまった!」と叫びたくなる気分になることもあり、「財産の不正操作」と称するのがしっくりくるといえるでしょう。
深刻な被害をもたらす家族間の財産の持ち出しや使い込みなどに対して、「財産の不正操作」というネーミングを付け、遺産分割専門の遺産相続弁護士の立場から問題提起したいと考えます。
「争族」という言葉は、「相続」と同音異義語でありながら、意味する内容を的確に漢字で表しています。本来は仲が良いはずの相続人が争うという逆説的な表現ですが、実際に遺産相続でモメる家族が多いからこそ、社会に受け入れられています。
家族内における「財産の不正操作」は、本来は平和な共同体である「家族」において、法律などの規範に従わないという意味合いの「不正」が行われている現実を表現しており、一見してあり得ないような組み合わせになっています。しかしやはり、実際に多く発生している社会問題なのです。遺産相続の場面に限らず問題になるという意味では、「争族」よりも汎用性の高いテーマといえます。
遺産相続トラブルをはじめとする家族内での紛争における重要課題を、遺産分割に詳しい遺産相続弁護士の立場から分析し解説します。

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