財産の不正操作遺産分割の弁護士

財産の不正操作って何?財産の不正操作

『財産の不正操作』とは、 家族の預金を勝手に引き出したり 不動産の名義を知らないうちに書き換えたり 不動産に無断で担保を設定してお金を借りるなどの手口で財産を盗むことです。
「もめると困るので遺言を作成するべきです」とは聞きますが、いったいどうもめるのかは誰も説明していませんよね。よくありがちな問題であるにも拘らず、複雑で理解がされていない問題について、実態を一番よく反映している名前を付けようと思い、『財産の不正操作』の呼び名を付けました。

1 『財産の不正操作』の実態

  • 長男名義の不動産が、いつの間にか次男のものになっていた。
  • 亡き父の預金口座の中身が勝手に引き出されていた。
  • 亡き母の財産の名義が知らない間に書き換えられていた。
  • 預金名義人と口座に入っているお金の持ち主が異なる。
  • 介護に絡み、多額の使途不明金が見つかった。

数多くの争族(相続)事件に関わっていると、激しくもめるパターンには必ず、『財産の不正操作』の存在が確認できます。
『財産の不正操作』の行為期間は長年に渡り、被害額も一般的には高額になります。何十年の間に数千万円が『財産の不正操作』されることも珍しくはありません。家族分をまとめて管理していることも多い銀行印や実印へは、同居家族からのアクセスが容易です。
金融機関の本人確認も容易に潜り抜けられる。本人を騙ることも難しくはありません。
委任状を偽造したり、白紙委任状を取り付けたり。消えるボールペンで委任事項を書き換える新手の手口も確認されています。『財産の不正操作』行為後も、贈与契約書の偽造や遺言の作成により、『財産の不正操作』行為を隠蔽することは容易です。
銀行のキャッシュカードについては、暗証番号を『不正操作をする者』が知っている場合も多いので、勝手に預金を引き下ろすことは朝飯前です。

2 遺産相続をきっかけに顕在化

ほとんどのケースは、相続をきっかけに問題が表面化します。
被相続人が存命中に『財産の不正操作』行為が行われていても、発覚が相続後になった場合は証拠が乏しく、被害者本人がいない状態で裁判になることもあります。よって、通帳の保管状況や書面の署名状況などについて、一番事情を知っている人に証人尋問を行えない場合もあります。

3 不正がバレないのが現実

なかなかバレないのも財産の不正操作の特徴です。相続が開始し、被相続人の財産整理をするまではバレる可能性が低い。相続が発生すると被相続人の財産目録を作成しますが、相続発生までは財産状況を逐一確認することは稀であることが多いからです。財産を細かく注目する段階で初めて矛盾点が多く見つかり、十数年前の財産の不正操作の事実が発覚します。
財産の不正操作をした者はいつでも財布から中身だけを抜き、キャッシュカードを使用した後に元の場所に戻しておけるので、怪しまれることがありません。少しずつ犯行を繰り返すので、短期スパンでは気づかないのです。

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4 遺産相続でもめるパターン

財産の不正操作
の実行者
財産の不正操作の発覚時期
相続前相続後
相続人C 相続前の行為A 相続前の行為/相続後の行為
相続人ではない者B 相続前の行為/相続後の行為

5 相続人間でのもめごと

発覚は相続開始後で、相続人間でもめている場合です。『財産の不正操作』行為自体は相続開始前のものと開始後のものがあります。
注意が必要なのは、『財産の不正操作』をした者が相続人であるために、法定相続分を超えた持分を『財産の不正操作』していない限り、返せとは言えません(必ずしも刑法上の横領罪等が成立し、処罰されるという趣旨ではありません。相続トラブルについてイメージを持っていただきやすいように表現しています。)。なぜならば、法定相続分については相続人として正当な持分権を持っているからです。

(1)請求できない場合
ア 生前に贈与されていて生活の資本ではない場合

生前の財産の持ち出しについては、贈与が発生しているかどうかで請求できるかどうかが原則として決まります。被相続人が承諾を与えていた持ち出しであれば、原則として贈与となるので請求はできません。この承諾には、当初は無断であったが事後的に承諾を与えた場合も含まれます。
ただし、相続人が贈与を受けた場合には、生活の資本である場合に限り、特別受益として遺産分割協議において清算をすることが許されています。

イ 全部相続させる遺言が無い場合の法定相続分を超えない相続人の持ち出し

相続人の持ち出しが相続開始前後にかかわらず、相続開始後に問題にする場合は、法定相続分を超えているかどうかが問題になります。超えていなければ請求することができません。なぜならば相続開始前の持ち出しについては法定相続分について、持ち出した人間が相続人である限り、所有権が認められるからです。
不動産の無断使用によって生じた賃料相当額の損害についても、法定相続分を超えた部分については、不当利得返還請求権を行使することができます。

(2)請求できる場合
ア 特別受益の場合

生前に被相続人から贈与を受けていて、生活の資本としての生前贈与であれば、特別受益として、受けた者に対して請求できます。
この場合の計算方法は「特別受益とは」を参照してください。

「特別受益とは」
イ 全部相続させる遺言がある場合

相続開始後において、相続人による持ち出しについて問題にする場合、法定相続分を超えていない限りは請求できません。ただし自分に対して全部相続させる旨の遺言がある場合は、持ち出し額にかかわらず請求できることになります。

ウ 法定相続分を超える相続人の持ち出し

法定相続分を超える持ち出しがあった場合には、超えた部分について請求ができます。法定相続分を超える部分については、もはや相続人であることが言い訳にはならないのです。

6 義理の兄弟など相続人ではない者とのもめごと

『財産の不正操作』行為自体は相続開始前のものと開始後のものがあります。
生前の財産の移動があっても、相続人ではないために特別受益は問題になりません。
相続開始後については、『財産の不正操作』した分すべてに対して請求ができます。相続人ではないために、法定相続分は『財産の不正操作』をした者にも権利があるということを考慮しなくてもよいからです。

7 遺産相続開始前におけるもめごと

生前に『財産の不正操作』が発覚して親から子供などの『財産の不正操作』をした者に対して請求をする場合です。
『財産の不正操作』自体は相続開始前であっても、発覚時期によって請求する人間が異なります。相続開始前の段階で気付いた場合、持ち出された人間が請求することになります(相続開始後に発覚した場合は、相続人が請求することになります。相続開始前に気づいたにもかかわらず時間がかかってしまい相続開始後の請求になってしまった場合も同様です。)。
相続は発生していないので、相続人かどうか法定相続分を超えているかどうかなどは一切考慮する必要はなく、『不正操作』した分すべてに対して請求ができます。たとえ相続が間近に予想されるタイミングであっても、相続が発生していない以上、他人の財産を勝手に持ち出した事案として処理されます。

一歩も引かない覚悟が必要財産の不正操作

『財産の不正操作』の事件で相談に来られる方は、弁護士に相談しようと思うに至るまで、かなりの時間を悩んでいます。
身内の恥をさらしたくないので、最初は自分たちで解決しようと試みます。
のらりくらりと交わされる方もいれば、モンスターのような相手方との話し合いに徒労感を感じ、最終的には話し合いによる交渉を諦める方もいます。
『財産の不正操作』が発覚してから時間も経ち、もう弁護士にお願いせざるをえないという段階で初めて相談に来られるわけですが、それでも逡巡されているのです。
血を分けた兄弟と徹底的に争うことはしたくない。
裁判になると時間がかかるから。
もしかしたら次の交渉で話がまとまるかもしれない。
経験上はほぼ間違いなく、甘い期待が裏切られ、最終的には裁判に突入します。その間にさらに時間はロスしていきます。
失うのは時間だけではありません。重要な証拠を破棄されることもあります。相続税を最適な形で申告する機会も逸してしまいます。
『財産の不正操作』をした者も家族です。しかしこの先、『財産の不正操作』をした家族を信頼できますか。昔のように一緒のタンスの引き出しに通帳と銀行印を保管して鍵をかけないでいられますか。数々の傍若無人を許せますか。
『財産の不正操作』をした者との戦いは、証拠も情報も握られてしまっている中で、逆転勝利を狙う戦いです。
一歩も譲らず徹底的に相手から搾り取るくらいの強い意志が必要なのです。

依頼者に対して一番初めに伺うのは、家族と争う覚悟ができているかどうかです。
弁護士は紛争解決の専門家ですが、家族関係の修復を請け負うことはできません。
とっくに弁護士が登場すべき場面であるにもかかわらず、弁護士に依頼するのを躊躇される理由の1つとして、家族への過信を断ち切れないことがあります。最後の最後は家族なのだから話し合いができるのではないか、と淡い期待を抱いて交渉をこじらせている方が多い気がします。思い切りが大切なのです。
覚悟ができている方には、どんな依頼でも必ずやり遂げる決意で臨みます。
『財産の不正操作』の被害者にとって必要なのは、決断する勇気です。

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