遺留分減殺請求の対象・範囲・効果 -遺留分遺産分割の弁護士

遺留分減殺請求の対象と範囲と効果遺留分

遺留分減殺請求の対象となる処分行為は遺贈と贈与です。減殺を行う場合は、必ず第1に遺贈、第2に贈与の順で減殺しなくてはいけません。またその他に遺言による相続分の指定、遺産分割方法の指定も減殺の対象になります。

遺 贈

遺贈には包括遺贈と特定遺贈とがありますが、いずれも遺留分減殺請求の対象になります。減殺すべき遺贈が複数ある場合には、遺贈間の先後関係はありませんので、全部の遺贈についてその価格の割合に応じて減殺し、特定の遺贈を選択して減殺することはできません。ただし、遺言により減殺の順序を定めている場合にはこれに従います。

贈 与

贈与が減殺の対象となる場合は、遺贈と異なりその時期が問題になります。相続開始前1年以内の贈与は、これが遺留分を侵害する限りすべて減殺の対象になるのに対し、相続開始1年以上前の贈与は、贈与の当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなした場合にのみ減殺の対象になります。

損害を加えることを知ってなした場合というのは、遺留分権利者に損害が加わる事実を認識していればよく、遺留分権利者に損害を加えることを積極的に意図している必要はありません。贈与の当時は損害が生ずる状況だったとしてもその後に財産が増加することが予想されていたときは、遺留分権利者に損害を加えることの認識がなかったものとされます。なお、1年というのは、贈与契約自体が1年以内になされたことをいいます。契約が1年以上前に締結されて履行が1年以内であった場合は該当しません。

減殺すべき贈与が複数ある場合は、もっとも新しい贈与から順に減殺します。

遺留分減殺請求権行使の効果

遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分を侵害する遺贈および贈与の効力は遺留分を侵害する限度において消滅し、受遺者または受贈者が取得した権利はこの限度で当然に遺留分権利者に復帰します。この結果、遺留分減殺請求の対象財産は受遺者または受贈者と遺留分権利者の共有になります。このような共有状態を解消する方法ですが、共同相続人間で遺留分減殺請求がなされたとき、遺産分割手続きで行うのか、共有物分割の手続で行うのかが問題になります。判例は、遺留分減殺請求権が個人的・個別的な権利であることなどから、共有物分割の手続によって行うべきとしています。よって遺留分減殺の調停申し立てをして話し合う方法もあります。

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